« ギルティ | トップページ | クリスマス2010 »

2010/12/22

KAGEROU

あまり話題な○○というのには手を出さない、のだけど、フラッと入った本屋で何気なく手にとってみて、読みやすそうだったから買って帰った「KAGEROU」。
この数年、小説を読むのがちょっとしんどくなっていたのもあって、文字数少なそう(笑)、読みやすそうだったので。
実際、すぐに読めました。

酷評らしいので、読み終えてからamazonの評価を見ると、厳し~い。
概して、文学賞の大賞を取れる作品ではない、とポプラ社に納得しない人が☆1つなど。
たしかに、文学的か、というと、うーん、それはちょっと厳しいかも?

でも個人的には、面白かったと思います。読みやすかったし。
子供も読める本です。
賞を取ったことを基準とすると、厳しくなってしまうけれど、普通に楽しめる本としては☆3つかな(^o^)

フジテレビの『世にも奇妙な物語』が好きな人には楽しめるかと。
著者は映画化を目標にしているけれど、かなり深く掘り下げて、もっとキャラクターのリアリティを出していかないと、難しいかな~。話題だけでの集客では。
『世にも~』ならピッタリだと思う^^
ストーリーのネタは、本人が考え出した時、面白いと思って書いたんだと伝わったし、構想はとても良いと思う。一生懸命書いた処女作、という誠意は伝わってきました。
ただ、感動はしなかった。
特に最後の泣くシーンは、読者が泣けるようにもっていってほしいな。登場人物ではなく。
歌い手が、感動しながら歌うと、観客が冷めちゃうのと同じで。
ただ、途中からオチがわかるのは、予測させている意図があるのかもしれない。

著者をテレビを通して知っているから、へ~、彼ってこういうフツーの感覚もあるんだ、と正直、感心している自分もいました(笑) そういう楽しみ方は、かなりありました。

行動を細かく表現してて、脚本のような印象を受けました。映像は浮かぶ。文学的ではないけれど、うまい表現を見つけたな、と思う表現もあった。
他の表現で、素直に、すんなり、そのフツーの表現を使っちゃう?と思ったり。たぶん、表現の世界観の方向性はまだ一致していないだけかも?
です、ます表現なのか、紋きり表現なのか、どちらかの表現に統一しないとおかしい、というのと同じような意味で。

主人公が、言動をした後、なんで~しているか、自分でもわからなくなった、というような自嘲症的な気持ちが書いてあるけれど、それはいらないかな。そういう自己ツッコミは、読者を冷めさせるかも。自己満足的で。読者に考えさせればいい。

ギャグを言うことで、命という主題を軽くしよう、としなくていいと思うし、ギャグによって、最後わからせる、のでなくてもいいかな? もっと他の方法でわからせる事はできたかも?

最後のreportの所に、書くべき名前を書いた方が、ああ、やっぱりとなって、グサっと来たのでは。せっかくわかりやすく書いているから、わかりやすく^^。レポートの存在の意味が、その名前が書いていないと意味がないのでは・・・? それに書いてないと、その人が実在した感じがしない。
あとこのreportで、レシピエントは金持ち、という設定だと感じていたけど、reportを読むと、金持ちじゃないと思われる人が大半(笑) 通常ルール外の裏での取引だろうから、相当な金がないと・・・。そこで?と思った。

著者は、子供の頃、死にたいとずっと考えていたらしく、だから命についてすっごく考えていたから、こういう構想が浮かぶことが出来たんだんだと思う。
もしかして、賞への応募だから、この文字数で、と思って応募したのかもしれないけれど、もっと時間をかけて、この作品の世界を掘り下げても良かったかな。
色々手を出さないで、「小説」自体ともっと向き合ってもいいかも。

そして、小説家になるなら、文学的方向性はこれから、もっと模索していくとして、命と向き合うなら、もっと向き合っていいかなーと思う。
もっと生生しくていい。そうでないと、読者にショックをもっと与えないと「感動」に行き着けないんじゃないかと。ガツーンとさ。
想像だけど、死にたいと思っている人に踏みとどまらせたいとしたら、もっともっと生々しくて良い。
ストレートな話をしているんだけど、茶化さなくていいと思う。キョウヤが体験している事が、ちょっと軽すぎてしまってると思った。なぜそのシゴトをしているか、が伝わってこない。
自分自身、飛び降りたばかりの人を見たことがあるけれど、あの現場の最悪な空気感を体験した人としてリアルとして伝わってこなかったし、あと、死んでいった人たちの周りの人たちの反応とか、リアリティが足りないかな。

行動と、セリフや気持ちは書き込まれているんだけど、そこに流れている音や体感覚が表現しきれていないのが原因か。

某小説家が言ってたけれど、小説家は、やはり色々な体験が必要なのかもしれない。
とすると、色々手を出して、色んな体験をした方がいいのか(笑)

もしかしたら、まだ彼は傷ついたトラウマを抱えていて、自分の中で昇華仕切れていないかもしれない。

1点、誤解だなーと思ったのが、催眠術をかけられたように、というような説明があったけれど、催眠は本人が望まない事は行動できないから、催眠について誤解しているなあ、と思いました^^

おっと、どうしても「文学賞」というタイトルは気にしてしまうから、私も厳しくなってしまった(笑)

何はともあれ、先は長い!!
著者がどんな表現をしていくか、これからが、とっても楽しみです。


追記:本好きなダンナが読んだら、面白い!!っ感心していました。

|

« ギルティ | トップページ | クリスマス2010 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/70037/50369548

この記事へのトラックバック一覧です: KAGEROU:

« ギルティ | トップページ | クリスマス2010 »